Ukajun books

書店勤務(2社)8年。3児のパパ。本屋さんのこと、本のことを中心にブログを書いています。

005【再び出会うことには意味がある】

 昨日、このブログを書いていたお店(珈琲屋さん)を退店したとき、運命の再会をはたした。と、いいたのですが、再会というより、一方行であって、お見かけした。かつてボクがアルバイトをしていた飲食店の常連の方で。自分も年齢を重ねていますから、当然、その方もお年をとられていたのですが、以前より健康そうにみえ、(あくまで10メートル先の距離感ですが)、すごく幸せを感じました。

 いっしょに働いている書店員さんで小説を書いているヒトいました。たぶんなのですが、今もきっと書かれていると思います。何度か、著作をみせていただくことがあったのですが、内容はさておき、書き続ける才能は確かにありました。これは本当に大切なことですよね。

 で、実はボクも数か月間だけなんですが、書店が開講している通信制の文章講座を受講していた時期があります。どうして、このことを思い出したのかというと、さきほど再会した方、なんですよね。

 その文章講座は当時現役でライター、編集のお仕事をされている方に出題されたテーマについて書いた1000字程度の文章を添削をしていただけるというものでした。赤が入ってメールで返信されてきます。そして、半年だったか一年だったか忘れましたが、受講生を対象にしたコンペがございまして、応募は自由なんですが、文字数は10,000字で文芸部門、随筆部門でエントリーするといったものでした。

 それはちょうど2011年3月末締切だったんです。だから、東京に住むボクは当然あの揺れ経験していて、3.11の真っ只中にいたんです。(決して過去として語ってはいけない)

 自ずと書いたテーマは死ぬことと生きることになります。いまこのブログを書こうとする前にその原稿にあたってみたんです。これは、機会をみてこのブログで公開させていただきたいですが、なかなかいい文章を書いていて、我ながら感心しました。で、その導入部にボクはその方を登場させているんですよ。いかも漱石のこころに倣ったスタイルで“先生”的なポジジョンで。

 いや、ブログにしろ何にろ文章って残しておくと良いですよ。本当に。8年前のボクがもっていて今のボクが失いつつある、あるいは失ったものをはっきりと認知できます。

 書店で勤務しながら小説を書くことはあまりおすすめしません。すでに書いたような気がしますが、本を売ることと読むこと、書くことはすべて全く別のことですから、混乱させちゃったらいけないじゃん。なんとなく。程度ですけど。

 

 

【こころ】夏目漱石/新潮文庫